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水処理装置

Mobile Siphon Tank

モバイルシフォンタンク

中小規模水道に最適な浄水設備、緊急災害時の浄水装置としても活用できます。
従来のシフォンタンクは浄水場や工場等など、設置スペースが確保できる常設のみに限られていました。そこで当社は「シフォンタンク」の特性は生かしつつも、さらに幅広い用途にご使用いただける「モバイル(移動式)シフォンタンク」を開発しました。
設置型シフォンタンクをコンパクトにユニット化したためトラックなどへの車載も可能です。給水人口の減少や施設老朽化、技術職員の減少などの課題を抱える中小規模水道に最適な自立分散型水道スタイルとして数多くの導入実績を有します。また、モバイルシフォンタンクに「凝集剤比例注入システム」を標準搭載する事で、原水濁度の変動に対して適切なポリ塩化アルミニウム(PAC)の量を自動調節で注入する事が可能となりました。
平常時から緊急災害時の飲料水確保、土木工事現場の高濁度排水処理など低濁度から高濁度の幅広い水質の原水に、自動制御による浄水処理が可能となっているため、広範囲にご活用いただける画期的な移動式浄水装置です。

特長

  1. 常に安定した水質が得られます
  2. コンパクト設計で充実した装備内容です
  3. ろ過材交換が不要です
  4. 逆流洗浄水量が大幅に削減できます
  5. 設置後すぐに給水できます

用途

  1. 中小規模水道対策
    中小規模水道事業の給水人口変動や施設老朽化や市町村統合や広域化等による財政負担など、地方自治体が抱える様々な問題をモバイルシフォンタンクは解決します。移動式の利点を活かして人口の変動に即した設備再配置が可能です。オプションでクラウドシステム(遠隔監視システム)を導入することもでき、技術職員の常駐や巡回も不要です。メンテナンスフリーなため維持管理負担のさらなる軽減が図れます。
  2. 災害対策
    頻発する自然災害で大きな問題となるのはライフラインとしての[水]供給。最低でも1人あたり3L/日が必要と言われていますが、生活水(トイレ・風呂・洗濯)等を含めると実際には300L/日が必要です。モバイルシフォンタンクは緊急災害時に河川などから安定した飲料水を作り、設置後短期間で清浄な水が供給できる浄水装置です。最大日量処理能力1000tの処理が可能。災害直後の高濁度原水でも独自の機構と技術による直接ろ過法で対応できる画期的な装置です。
  3. 海外での活用
    集落向けの浄水設備など海外にもモバイルシフォンタンクを販売しています。土が混ざって濁った状態にある井戸水や河川の水を飲料水の水準までろ過することができ、シフォン洗浄技術によりろ過材交換が不要、そして浄水場を新規で作る場合に比べコストを抑えることができるため、水インフラが整っていない地域に適した浄水装置です。

日本原料は、水道事業体様が抱える様々な課題に対して、シフォンタンクシリーズで解決する「新しい水道のかたち」をご提案しております。
詳しい導入事例などを掲載した小冊子は資料請求ページにてダウンロードが可能となっております。

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代表的な実績例

愛媛県宇和島市
三間浄水施設
設置年月:2021年3月
機種:MST-2200S×2基
   MST-1000×2基
処理水量:1,600㎥/日
用途目的:仮設から常設
静岡県藤枝市
廻沢浄水場
設置年数:2020年12月
機種:MST-450
処理水量:30㎥/日
用途目的:既存施設の更新、クリプトスポリジウム対策
福島県いわき市
旅人浄水場
設置年数:2021年12月
機種:MST-1200
処理水量:265㎥/日
用途目的:除マンガン、降雪対策

奈良県五條市
尼ケ崎簡易水道
設置年数:2016年5月
機種:MST-700
処理水量:50㎥/日
用途目的:緩速ろ過から更新、高濁度対応
福井県若狭町
熊川浄水場
設置年数:2018年3月
機種:MST-1800S
処理水量:570㎥/日
用途目的:高濁度対応
鹿児島県霧島市
牧野中継ポンプ場
設置年数:2017年3月
機種:MST-1200S
処理水量:210㎥/日
用途目的:除鉄・除マンガン

土木現場の救世主、排水処理はおまかせ

従来、ろ過材に過剰な負荷がかかる土木現場等の排水処理では、頻繁なろ過材交換が必要となるため、現場作業において大きな負担とコストがかかり、障害になっていました。こうした問題を「モバイル(移動式)シフォンタンク」は解決します。
当装置内に弊社独自の「シフォン洗浄」を取り入れることにより、ろ過材は定期的に揉み洗いがなされて常に清浄な状態を保ちます。そのため、固着を防ぎ、安定した処理水水質を得ることができるのです。また、コンパクトな設計で、操作性にも優れているため、メンテナンスフリーとなりコストの大幅な削減も望むことができます。
※ろ過材は常に清浄な状態を保つため、ろ過材交換頻度の高かった現場でも1現場中の交換は原則として不要です。

実例

2006年2月【徳島県阿南市宝橋下部外工事】土木現場排水

橋脚建設工事の現場において、矢板掘削現場から排出される高濁度排水を河川放流する際に、放流基準値まで水質改善させるためにモバイルシフォンタンクを使用しました。
【処理フロー】原水(掘削現場)→原水槽(31m³タンク)→薬注(PAC)→→仮設沈殿池→モバイルシフォンタンク→河川放流
【除濁実績】 原水濁度260度→処理水濁度6.3度以下
【処理水量】 26m³/日(LV=13m/h)

安全な水にアクセスできない国や地域における水供給ユニットとして【Mobile Siphon Tank】

モバイルシフォンタンクは、トラックなどに乗せて水を必要とする場所に持ち運びが可能なメリットを生かして、緊急災害時の被災地における飲料水を確保・供給の実績を有します。水が必要な場所に車載運搬して運び込み、現場できれいな水を作る「ろ過材(フィルター)交換不要のメンテナンスフリーの浄水装置」です。この独自の技術を広く海外の水処理、とりわけ安全な水にアクセスできない国や地域における小規模集落への水供給ユニットとしての活用を提案しています。
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モバイルシフォンタンクにもシフォン洗浄を導入

ろ過材の洗浄原理ろ過材の洗浄原理ろ過材の洗浄原理
粒子にかかる重力とスクリュー揚力で渦流を形成ろ過砂はスクリューの表面にて複雑な渦流を形成し、ろ過砂同士の揉み洗いが生じる遠心力で外側に向かった粒子が渦流を形成

高い洗浄効果
逆流洗浄・空気洗浄では、目詰まりを防ぐ程度の効果しか望めませんが、「シフォン洗浄」はろ過材同士の揉み 洗いにより頑固な汚泥分まで除去されるため、新砂に匹敵する洗浄濁度30度以下(JWWA A 103:2006-2)の数値まで洗浄することができます。

洗浄効果の高い「揉み洗い」ならろ過材の破砕もなし   
ろ過材同士の揉み洗いにより、ろ過材そのものを破砕することなく、表面に付いた汚泥のみを確実に除去することができるため、ろ過材を設計当初の規格に極めて近い状態に維持することができます。

汚泥分剥離流出現象の回避・低減が可能     
高い洗浄効果により、ろ過水への汚泥分剥離流出現象を回避・低減することができ、常に安定した水質を得ること ができます。

ろ過材の流出を大幅に減少
逆流洗浄で流出したろ過材は極端に多くの汚泥やマンガンなどが付着した比重の軽いものであり、ろ過材そのものの粒径には関係なく流出します。シフォンタンクはろ過材を設計当初の規格に保つことによりろ過材の流出を大幅に減らすことができます。

モバイルシフォンタンクフロー

①ろ過②逆流洗浄③シフォン洗浄④逆流洗浄
従来のろ過タンクと同様に圧力式下向流方式でろ過を行います。中心部に内筒およびスクリューが配置されていますが、この部分にもろ過材が充填される構造を取っており、タンク全体でろ過がなされます。はじめに逆流洗浄を短時間行い、ろ過材を流動してから、シフォン洗浄を行います。スクリューの回転により、水とろ過材を下部から上部に押し上げようとする上方向の力と、重力による下方向の力を受け、ろ過材同士が揉み洗いを行います。シフォン洗浄後、逆流洗浄を行い、洗浄水を排水します。シフォン洗浄が施されたろ過材は汚泥分が完全に剥離されているため、簡単にすすぐだけで汚泥分を除去することができます。
※逆流洗浄を行うため、アンスラサイトとの複層ろ過も可能

モバイルシフォンタンクフローシート例

仕様

名称本体径
(mm)
全長L
(mm)
全幅W
(mm)
全高H
(mm)
モータ
(kW)
 処理水量 LV=10
(m³/h)
MST-260φ260900105021000.750.5
MST-450φ4501000115021001.5
MST-550φ5502100135021001.52.3
MST-700φ7002600157518003.73.8
MST-1000φ10003250190020003.77.8
MST-1200φ120035202100210011.3
MST-1600φ16004120230026507.520.0
MST-1600S
(配管ユニット)
φ1600 2970170017507.520.0
MST-1600S
(タンク)
(1950)
平面上の最大寸法
2435
MST-1800φ18004120230026707.525.4
MST-1800S
(配管ユニット)
φ18003070190017507.525.4
MST-1800S
(タンク)
(2560)
平面上の最大寸法
2460
MST-2300S
(配管ユニット)
φ230032701800175011.041.5
MST-2300S
(タンク)
(3090)
平面上の最大寸法
3010
MST-2300SH
(配管ユニット)
φ230032701800175011.041.5
MST-2300SH
(タンク)
(3090)
平面上の最大寸法
3110
MST-2300SWP
(配管ユニット)
φ230031002200190011.041.5
MST-2300SWP
(タンク)
(3090)
平面上の最大寸法
3010
[標準仕様]本体:SUS304 / パッケージ箱:SS400/面前配管:SUS304またはHIVP
※MST₋1600S・1800S・2300Sは配管ユニットとタンクが分離したセパレートタイプです。
※MST₋2300SWPは水没しても即時復旧可能なウォータープルーフタイプです。
※MST₋2300SHは配管ユニットとタンクが分離したセパレートタイプで、背の高いタイプです。

濁質捕捉量が多く、ろ過効率や逆流洗浄時の洗浄効果が高い「0.6インターセプター」と「ゼブラレイヤー」が標準仕様となっております。
インターセプター/ゼブラレイヤーはこちらから

※排水処理設備や高分子凝集剤、油分の混入、テフロン排水などの処理工程ではろ過材の入れ替えが必要となる場合がございます。

※仕様は予告なく変更する場合があります。
詳細については当社にお問い合わせください。

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