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ウクライナ復興支援として可搬型浄水装置 モバイルシフォンタンク(MST-2300S)を供給
水処理メーカーの日本原料株式会社(本社:川崎市 代表取締役社長:齋藤安弘)は、ロシアからの軍事侵攻を受け壊滅的な打撃を受けたウクライナ国の基礎インフラ支援策「日本政府 無償援助緊急復旧計画(副題:給水設備改善計画)」として、令和5年9月29日に可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」の採用が決まり、ウクライナ国の2都市に4基を供給することになりました。
今回のスキームは、令和5年3月30日に外務省が発表した「ウクライナに対する無償資金協力(フェーズ1)」に基づくもので、独立行政法人 日本国際協力機構(JICA)のウクライナ向け無償資金協力贈与契約の締結:緊急の復旧ニーズに対応する幅広い分野の資機材の供与(緊急復旧計画(フェーズ1)の一環です。ロシアからの攻撃で生活基盤が破壊されたウクライナ国の首都キーウ市と南部の港湾都市オデーサ市の2都市に4基の可搬型浄水装置システムが、今年末までに海路にてウクライナ国まで届けられます。また、機器の供給とともにウクライナ人技術者4名を弊社の高萩工場(茨城県高萩市)に招致して機器の設営から飲料水を作り出すまでトレーニングを行います。トレーニングの日程は未確定ですが、確定し次第ご案内いたします。(弊社工場でのトレーニングにつきましては、密着取材に対応する用意がございます)
可搬型浄水装置「モバイルシフォンタンク」は弊社が開発した砂ろ過浄水装置で、従来の浄水装置で必ず必要であったろ過材(フィルター)の交換を不要にしたものです。2005年に宮崎市で発生した台風災害で被災した富吉浄水場の災害復旧を皮切りに、2022年まで国内外で起きた21件の自然災害の復旧支援に活用された実績を有します。また、政府開発援助(ODA)として東南アジアの開発途上国の飲料水供給装置としても採用されています。
ウクライナ国へ届けられる可搬型浄水装置モバイルシフォンタンクは、MST-2300Sタイプで日量約1,000立方メートルの飲料水が造水可能です。特徴はろ過装置内に自己洗浄機構(国際特許:シフォン洗浄技術)を組み込むことによってろ過材(フィルター)を常に新品同様の状態に維持できることです。フィルターのろ過材は弊社が開発した高機能ろ過材を内蔵。浄水場で使われている一般的なろ過材と比較して単位面積当たり5倍の濁質捕捉能力があります。また、可搬型の特性から水処理が必要な場所に移動が可能です。
日本原料は1939年の創業以来、日本の水道事業と共に歩んでまいりました。長年の技術革新で開発した水処理技術で地球の水環境の改善に貢献することをモットーに、国内浄水場を中心にろ過材、更生(リサイクル)工事などで水道事業を下支えしてまいりました。昨今では、中小規模水道事業の課題解決に技術力をもって貢献させていただいております。また、激甚化する自然災害時には応急給水など災害復旧活動も行っております。
今後も安心安全な「水」を、国内のみならず世界中に届け、国や地域による水の格差をなくすために尽力してまいります。「ろ過」「ろ過材」「水処理」の知見をもとに、『日本原料ができること、日本原料だからできること』に一層努めてまいります。