MANGANESE SAND
マンガン砂
除マンガン
ろ過池に搬入された新砂は、マンガンを含む水に塩素を加えてろ過していると、自然とマンガン砂になり水中のマンガン除去能力が高まります。しかし、マンガン砂となるためにはマンガン含有量によって数ヶ月から数年かかることもあります。当社のマンガン砂はこのタイムラグをなくすために厳選された急速ろ過砂を硫酸マンガンと過マンガン酸カリウムによって繰り返し処理し、砂の表面に接触酸化性のある被膜MnO₂・H₂Oを人工的に付着させ安定させたもので、 除マンガン効果に優れています (前提条件として前塩素処理または中塩素処理が必要です)。
特 長
- 未ろ過水中に遊離塩素が適当量残留するようにし、ろ過を継続すると、マンガン砂の表面は未ろ過水中のマンガンの酸化物で生成したMnO₂・MnO・H₂Oが被覆し肥厚しますが、塩素による再生で、マンガン砂と同じ形態になるため接触酸化能力は低下しません。
- 当社の製品は、マンガン付着量が0.3mg/g以上です。
- マンガン除去に優れた効果を発揮します(砂表面のマンガン酸化物の接触酸化反応で水中のマンガンが不溶性となって除去されます)。
- 水道水の中にマンガンが含まれていると、水が褐色から黒色となり、飲料水として不適となるばかりでなく、器物や衣類に色が付いたり管にスケールができる原因となります。
用途
原水中にマンガンが含まれている場合、マンガンの除去に優れた効果を発揮します。
日本水道協会(JWWA A 103:2006-2)
水道用マンガン砂 抄記
日本水道協会規格(JWWA A 103:2006-2)では次のように規定されています。
《主成分及び品質》
マンガン砂は、ろ過池におけるろ過及び洗浄が、安定かつ効率よく行うことができるものであって、主成分、品質(物性)及び品質(浸出性)の規定に適合しなければならない。
◎主成分
マンガン砂の主成分は水道用ろ過砂の表面に二酸化マンガンを付着させたもので、その付着物の主成分は二酸化マンガンである。
◎品質
品質(物性・浸出性)は、定められた条件で試験を行い表1の規定に適合しなければならない。
項目 | 品質規定 | |
---|---|---|
物 性 | 密度 (g/cm³) | 2.57~2.67 |
マンガン付着量(mg/g) | 0.3以上 | |
浸 出 性 | 味 | 異常でない こと |
臭気 | 異常でない こと | |
色度 (度) | 0.5以下 | |
濁度 (度) | 0.2以下 | |
鉄及びその化合物 (mg/L) | 0.03以下 | |
マンガン及びその化合物 (mg/L) | 0.005以下 |
《外観および寸法》
◎外観
外観は定められた条件で試験を行い、表2の規定に適合しなければならない。
◎寸法
寸法は定められた条件で試験を行い、表2の規定及び購入者等からの仕様書に示される寸法に適合しなければならない。
有効径 (mm) | 0.45~0.70 |
均等係数 | 1.7以下 |
最大径 (mm) | 2.0以下 |
最小径 (mm) | 0.3以上 |
使用方法
- 使用初期からマンガン除去能力を有します(使用前に高濃度次亜塩素酸浸漬が必要となります。)
- 鉄や濁質分が多い原水のマンガンを除去する場合、アンスラサイトとの複層ろ過にすることで対応可能です。
- 逆流洗浄時の膨張率は20~30%を推奨いたします。
使用上の注意点
- マンガン除去には原水への次亜塩素酸の注入が不可欠です(ろ過水の遊離残留塩素が0.7mg/L以上)
- マンガンは酸性(pH6以下)条件下では除去しにくくなります。また、鉄はアルカリ性では除去しにくくなるため、マンガンと鉄が共存している場合はpH7程度に調節してください。
- ご使用前に次亜塩素酸処理が必要です(当社での次亜塩素酸処理も承ります。)
- ろ過継続中に次亜塩素酸の注入量が不足するとマンガン除去能力が失われる可能性があります。
マンガン除去能力が失われたマンガン砂は次亜塩素酸処理を行うとマンガン除去能力が回復します。 - 長期間ろ過を停止するとマンガン除去能力が低下する可能性があります。停止期間や停止状態によって対応が異なりますので、ろ過を停止する際は当社にご相談ください。
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