Siphon Type Sand Washing System
シフォン式ろ過砂洗浄機
近年、原水の急激な悪化により従来の更生工事では、ろ過材の再生化が難しくなってきました。 そこで当社は、「いかに、ろ過材の粒径そのものを壊さず表面についた汚泥のみを除去するか」を課題として研究開発を行い、「シフォン式ろ過砂洗浄機」 (別名「操み洗い式ろ過砂洗浄機」)を開発しました。その結果、ろ過砂の新砂品質基準規定、洗浄濁度30度以下をはじめとする、すべての目標値をクリアした従来では考えられない画期的な更生工事専用機器となりました。
特長
- 凝着物まで剥離がなされるので新砂に匹敵する洗浄濁度30度以下(JWWA A103 規格)の数値まで洗浄が可能です。
- 粒径を崩さず、有効径・均等係数を整えることができ、余分な汚泥マンガン層を剥離し、理想的なマンガン層のみを残します。
- クリプトスポリジウム対策として厚生労働省が指針として挙げている「ろ過水の濁度を0.1度以下に維持すること」への一助となります。
- 汚泥剥離現象の回避・低減が可能になりました。
- 付着・凝着物の剥離により砂の密度が元に戻るため、 従来工法に比べ砂の流出を減少させます。
- 流出した砂を洗浄し再利用することにより廃棄物を大幅に減少させます。
- 洗浄効果は従来工法の約8倍となり更生工事サイクルの延長・廃棄物低減などによりコストの大幅削減が可能です。
シフォン式ろ過砂洗浄機の基本原理
シフォン洗浄の基本原理は砂同士の揉み洗いにあります。内部は2重構造となっていて内筒部・外筒部でそれぞれ砂同士が揉み洗いをしながら循環するバッチ処理システムとなっています。
内筒部に設置されているスクリューの回転により、水・ろ過砂を下部から上部に押し上げようとする力と高い方から低い方へ流れようとする重力による、2つの相反する力が生まれます。これによりろ過砂は下部から上部へかき上げられながらも下部へ流れようとして、 スクリュー上を転がりながら渦を巻きます。この原理により砂同士の揉み洗いがなされるのです。
外筒部では水・ろ過砂が洗浄機内を循環する際、内筒部から砂が落下する速度と、外筒部底部の砂が内筒部に引き込まれる速度の違いから水中で絶妙な水流が起き、砂同士が渦を巻く形で揉み洗いがなされるのです。
ろ過材の洗浄原理 | ろ過材の洗浄原理 | ろ過材の洗浄原理 |
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粒子にかかる重力とスクリュー揚力で渦流を形成 | ろ過砂はスクリューの表面にて複雑な渦流を形成し、ろ過砂同士の揉み洗いが生じる | 遠心力で外側に向かった粒子が渦流を形成 |
シフォン洗浄効果
当工法はろ過池の状態、形式に合わせて洗浄度合いが設定でき、なおかつ急速・緩速ろ過池両用可能などにより幅広い施工ができます。
凝着物がかなり成層してしまっているろ過砂でも汚泥剥離が可能です。
シフォン式ろ過砂洗浄機を使用した更生工事例
当社では、これまでにシフォン式ろ過砂洗浄機を用いた多くの更生工事実績がございます。
様々なろ過材の汚れ、浄水場の現場に応じて施工が可能です。
シフォン式ろ過砂洗浄ラインフロー
- 第一工程で汚れたろ過材(汚砂)をホッパーに投入し、ベルトコンベヤにてシフォン式ろ過砂洗浄機へ搬送
- 第二工程でシフォン式ろ過砂洗浄機によりろ過材をもみ洗い洗浄し、スラリーをポンプで篩い分け機に搬送
- 第三工程でシャワーでろ過材の表面に残留した汚れを洗い落とし、篩いにより標準(必要)粒体を搬送