Siphon Tank
シフォンタンク
「地球環境への配慮」と「コスト削減」の両立をシフォンタンクが実現しました。
現在、小規模な簡易水道や民間企業で用いられているろ過装置は半年~5年おきにろ過材交換工事が行われています。この使用済みのろ過材は、洗浄・更生を施せば再利用できるにもかかわらず、洗浄機械等を設置するスペースやろ過材を洗浄する施工コスト等の問題から、産業廃棄物として処分されていました。これに対し、当社ではろ過材の交換を行わなくとも常にベストなろ過水質を得ることができるろ過装置「シフォンタンク」を開発しました。ろ過材が常に清浄な状態に保たれるため、従来のように使用済ろ過材を産業廃棄物として処分する必要もなく、SDGsやISO14000が提唱しているゼロエミッションに対しての大きな足がかりとなる上、ろ過材交換工事にかかる費用や逆流洗浄に関わる費用を含め、維持管理コストの大きな削減も望めます。
- 第15回 中小企業優秀新技術・新製品賞 受賞
- 第19回 神奈川工業技術開発対象地域環境技術賞 受賞
- 第6回 神奈川ビジネスオーディション2003 奨励賞 受賞
- 第22回 かわさき起業家選抜ビジネス・アイデアシーズ市場 かわさき起業家大賞 受賞
- 平成16年度 「川崎ものづくりブランド製品」認定商品
特長
- ろ過材交換が不要になります
シフォン洗浄と逆流洗浄を組み合わせることで、ろ過装置内すべてのろ過材が新砂同様に保たれます。そのため、通常、定期的に必要となっていたろ過材交換は一切不要です。 - ろ過材は常に清浄な状態のまま保たれます
当社の開発したろ過材同士の揉み洗いを原理とする「シフォン洗浄」をろ過装置に組み入れたため、常にろ過材が清浄な状態に保たれ、安定したろ過を行う事ができます。 - 維持管理コストが激減します
ろ過材交換は不要です。そのため、「ろ過材交換工事費」「使用済ろ過材の産業廃棄物処分費」「新ろ過材購入費」等は発生しません。 - 逆流洗浄水量を大幅に削減
硬く凝着した濁質をシフォン洗浄によって完全に剥離し、最後にその濁質のすすぎのみを目的として逆流洗浄を行うため、逆流洗浄水量は従来のろ過装置と比較して1/2~1/3と大幅に削減できます。
これにより受水タンク容量が小型化でき、逆流洗浄水量と費用の削減につながります。 - ゼロエミッションへの大きな足掛かりとなります
ろ過材は半永久的に使用することができ、使用済ろ過材を産業廃棄物として処理する必要はなくなります。環境問題、ISO14000に大きく貢献できる「地球にやさしい」ろ過装置です。
環境対策に配慮されている企業様やプロジェクトから注目を集めています。 - 水質維持管理コストが大幅に削減できます
シフォンタンクの導入により、ろ過材中に濁質が堆積することはなく、ろ過材同士の固着が防止され、水質が常に安定した状態に保たれることから、水質維持のためのリスクが軽減されます。この結果、水質分析やろ過材の状況分析等に関わる費用を大幅に削減することが可能となります。 - ろ過材の固着を防ぎます
従来のろ過装置では、下水等の高有機物処理原水を処理しようとするとろ過材が固まってしまい、正常なろ過を維持する事ができませんでした。シフォンタンクは常にろ過材を清浄な状態に保つ事ができるため、ろ過材の固着を防ぎ、安定した水質を得る事が出来ます。 - 膜の前処理にも最適です
膜処理設備の前処理としてシフォンタンクを導入することにより、膜に対する負担が軽減できるため、膜の寿命を延ばし維持管理費用と維持管理業務を軽減します。
化学工場の軟水装置のプレフィルターとしても納入されています。 - タンクのメンテナンスが容易です
シフォンスクリュー部分がカートリッジ式ですので、タンク自体のメンテナンスが容易です。
※ご要望に合わせ原水を分析した上で、 ろ過層構成を含めた充填ろ過材およびタンクサイズをご提案させていただきます。
詳細については当社担当者にご相談ください。
ろ過装置にシフォン洗浄を導入
シフォン洗浄原理をろ過装置内に取り入れシステム化したことで、ろ過材は常に清浄な状態に保たれるため、ろ過材交換工事が不要です。また、シフォン洗浄でろ過材を洗浄することで逆流洗浄はすすぎの役割となるため、逆流洗浄水の費用を含めた維持管理コストを大幅に削減します。
ろ過材の洗浄原理 | ろ過材の洗浄原理 | ろ過材の洗浄原理 |
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粒子にかかる重力とスクリュー揚力で渦流を形成 | ろ過砂はスクリューの表面にて複雑な渦流を形成し、ろ過砂同士の揉み洗いが生じる | 遠心力で外側に向かった粒子が渦流を形成 |
- 高い洗浄効果
逆流洗浄・空気洗浄では、目詰まりを防ぐ程度の効果しか望めませんが、「シフォン洗浄」はろ過材同士の揉み洗いにより頑固な汚泥分まで除去されるため、新砂に匹敵する洗浄濁度30度以下(JWWA A 103:2006-2)の数値まで洗浄することができます。 - 洗浄効果の高い「揉み洗い」ならろ過材の破砕もなし
ろ過材同士の揉み洗いにより、ろ過材そのものを破砕することなく表面に付いた汚泥のみを確実に除去することができるため、ろ過材を設計当初の規格に極めて近い状態で維持することができます。 - 汚泥分剥離流出現象の回避・低減が可能
高い洗浄効果により、ろ過水への汚泥分剥離流出現象を回避・低減することができ、常に安定した水質を得ることができます。 - ろ過材の流出を大幅に減少
逆流洗浄で流出したろ過材は極端に多くの汚泥やマンガンなどが付着した比重の軽いものであり、ろ過材そのものの粒径には関係なく流出します。シフォンタンクはろ過材を設計当初の規格に保つことによりろ過材の流出を大幅に減らすことができます。
シフォンタンクフロー
当社では、これまでにシフォン式ろ過砂洗浄機を用いた多くの更生工事実績がございます。
様々なろ過材の汚れ、浄水場の現場に応じて施工が可能です。
①ろ過 | ②逆流洗浄 | ③シフォン洗浄 | ④逆流洗浄 |
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従来のろ過タンクと同様に圧力式下向流方式でろ過を行います。中心部に内筒およびスクリューの部分にもろ過材が充填される構造により、同サイズの従来のろ過タンクと同等の処理水量が得られます。 | はじめに逆流洗浄を短時間行い、ろ過材を流動してから、シフォン洗浄を行います。 | スクリューの回転により、水とろ過材を下部から上部に押し上げようとする上方向の力と、重力による下方向の力を受け、ろ過材同士が揉み洗いを行います。 | シフォン洗浄後、逆流洗浄を行い、洗浄水を排水します。シフォン洗浄が施されたろ過材は汚泥分が完全に剥離されているため、簡単にすすぐだけで汚泥分を除去することができます。 |
従来のろ過タンクと「シフォンタンク」の比較
従来のろ過装置 | シフォンタンク | 理由・効果 | |
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ろ過材の 洗浄方法 | 逆流洗浄・(空気洗浄) | シフォン洗浄・逆流洗浄 | 逆流洗浄・空気洗浄では除去しきれない汚泥分もシフォン洗浄により除去されるため、ろ過材を常に清浄な状態に保つことが可能 |
ろ過材の 粒径 | 付着・凝着物により肥大する傾向あり | 常に充填時の粒径を保持 | ろ過材の流出や粒度変化がないため、常に安定した水質を得ることができる |
維持管理 コスト | 「ろ過材交換工事費」 「産業廃棄物処分費」 「新ろ過材購入費」 が発生 | 左記コストの発生なし | ろ過材を半永久的に使用できるため、ろ過材交換工事は不要 |
逆流洗浄が頻繁に必要 | 逆流洗浄の時間短縮・回数低減が可能 | シフォン洗浄によりろ過材が常に清浄な状態に保たれ、逆流洗浄の時間を短縮。逆流洗浄にかかる水道料金等維持管理コストを大幅に削減 | |
工事・ メンテナンス | 定期的なろ過材交換工事が必要 | ろ過材交換工事は不要 | ろ過材を半永久的に使用できるため、ろ過材交換工事は不要 |
トラフ・表洗管等が障害となるためメンテナンスが困難 | 内部構造がシンプルなためメンテナンスが容易 | シフォンスクリュー部分はカートリッジ式のため、メンテナンスが容易 | |
支持層 | 支持砂利を使用しているため、不陸が発生する可能性大 | 不陸を防止する構造が取られているため、不陸の発生なし | 不陸が原因となって生ずるショートパス等のトラブルなし |
環境対応 | 使用済みろ過材の産業廃棄物処分が必要 | 使用済みろ過材の産業廃棄物処分は不要 | 産業廃棄物が発生しないため、環境問題・ISO14000に大きく貢献 |
ろ過水の 安定性 | ろ過材汚濁進行時、ろ過水への汚濁分剥離流出現象の可能性大 | 安定したろ過水の維持 | 高い洗浄効果によりろ過水への汚泥分剥離流出現象を回避 |
ろ過時間の経過とともに濁質捕捉能力が低下 | 常にろ過材が清浄な状態を維持するため、濁質捕捉能力低下を抑制 | 安定した水質を維持し続けることが可能 | |
高有機物 原水の処理 | ろ過材が固着し、閉塞を起こす可能性がある | ろ過材が固着しないためろ過が正常に行われる | 上水に限らず、下水・排水処理等にも対応可能 |
シフォンタンクフローシート例
仕様
名称 | 本体径 (mm) | カートリッジ径 (mm) | モータ(kW) | 処理水量(LV=10) | 処理水量 (LV=30) |
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ST-700 | φ700 | φ200 | 3.7 | 3.8m³/h | 11.5㎥/h |
ST-900 | φ900 | 6.3m³/h | 19.0㎥/h | ||
ST-1000 | φ1000 | φ250 | 5.5 | 7.8m³/h | 23.5㎥/h |
ST-1200 | φ1200 | 11.3m³/h | 33.9㎥/h | ||
ST-1500 | φ1500 | φ400 | 7.5 | 17.6m³/h | 52.9㎥/h |
ST-1600 | φ1600 | 20.0m³/h | 60.2㎥/h | ||
ST-1800 | φ1800 | 25.4m³/h | 76.3㎥/h | ||
ST-2000 | φ2000 | φ500 | 11.0 | 31.4m³/h | 94.2㎥/h |
ST-2200 | φ2200 | 37.9m³/h | 113.9㎥/h | ||
ST-2500 | φ2500 | φ700 | 18.5 | 49.0m³/h | 147.㎥/h |
ST-2800 | φ2800 | 61.5m³/h | 184.6㎥/h | ||
ST-3000 | φ3000 | 70.6m³/h | 211.9㎥/h |
ご要望に合わせ原水を分析した上で、ろ過層構成を含めた充填ろ過材およびタンクサイズをご提案いたします。詳細については当社担当者にご相談ください。
※排水処理設備や高分子凝集剤、油分の混入、テフロン排水などの処理工程ではろ過材の入れ替えが必要となる場合がございます。
※仕様は予告なく変更する場合があります。