塩素を使用しない除マンガンろ材
地下水に含有するマンガン除去は、マンガン砂やマンガンろ材による接触酸化法が一般的に広く使われています。接触酸化法は酸化剤に次亜塩素酸ナトリウムを使用して、ろ材の触媒作用により除マンガン処理を行うものですが、処理水中に遊離塩素を0.5mg/L以上含有させる必要があります。
特にアンモニア窒素を含む場合は、塩素注入率が高くなります。しかし、次亜塩素酸ナトリウムには不純物の臭素酸、塩素酸が含まれており、この2つの物質は水道法の水質基準項目になっています(臭素酸0.01mg/L以下、塩素酸0.6mg/L以下)。この薬品は、自己分解から有効塩素濃度が低下し、これに比例して塩素酸が新たに生成し、
増加するので注入率が高くなると水質基準を超えることになります。これらの消毒副生成物を抑制するために、塩素を使用せずにろ材の酸化力で除マンガン処理を可能(直接酸化法)にした新ろ材を開発しました。独自の製法により、マンガン除去能力を大幅に高め、使用期間を延長することができます。
特 長
1) 塩素処理を行うことなくマンガンの除去が可能
クローリンカッターMnは基本的にこれまで使用されてきた特殊ろ材の除去機構と異なる直接酸化法による
除去機構を有しています。
2) 薬品のランニングコストを削減
塩素注入率が削減できるため、薬品のランニングコストが削減できます。
3) 残留塩素の管理が不要
次亜塩素酸ナトリウムを使用しないため、残留塩素の管理が不要です(特殊な場合は除く)。また、除マンガン
処理能力は接触酸化法のように残留塩素濃度及び残留塩素形によって影響されることはありません。
物 性
外観 |
主成分 |
有効径 mm |
真密度 g/cm³ |
嵩密度 g/cm³ |
黒色 |
二酸化マンガン |
0.35 |
2.6 |
1.1 |
用 途
1) 塩素酸、臭素酸、その他の消毒副生成物の低減化
2) アンモニア態窒素を含む水の除マンガン処理
アンモニア態窒素(アンモニウムイオン)が含まれると、塩素はクロラミン(酸化力の弱い結合塩素)の生成と
分解に消費されるため、除マンガン処理に有効な遊離塩素の検出には、アンモニア態窒素の7.6倍を超える注入率
が必要です。
3) 残留塩素を含まない除マンガン水の製造
イオン交換装置の供給水、観賞魚池、金属腐食対策など、残留塩素を嫌う場合。
※原水水質により、残留塩素を含まない除鉄・除マンガン水の製造も可能ですので弊社にご相談下さい。
4) 既設接触酸化法の代替(ろ材交換)
塩素酸、臭素酸が水質基準を超える場合やこの2つの物質を増やしたくない場合にろ過材交換を行い対応する
ことができます。
除マンガン処理のメカニズム
クローリンカッターMnによる除マンガン処理は、酸化剤に次亜塩素酸ナトリウムを使用する接触酸化法とは異なり、ろ材自身の酸化力でマンガンを直接に酸化除去する直接酸化法のため次亜塩素酸ナトリウムは使用しません。したがって、一定処理後に除マンガン能力を失います。このため、再生剤で再生して、除マンガン能力を回復させます。クローリンカッターMnは、マンガン除去と再生を繰り返すことで長期間使用することができます。