本文へスキップ

ニューカラーカッター・ライトNew Color Cutter Light
除色


  地下水には鉄、マンガン以外にフミン質を含むことがあります。フミン質は地層に堆積し腐敗した植物(腐植質)が地下水に溶け込んだもので、高分子の色コロイドとして存在します。フミン質は活性炭で吸着除去できますが、色コロイドを吸着できるマクロポアーが少なく、有効利用率が低いため短寿命です。
 これに対して「ニューカラーカッター・ライト」は高い酸化度を持つ二酸化マンガンろ過材で、除色能力を高めたものです。
 除去法は活性炭と異なり、塩素の存在下でフミン質の酸化触媒として作用しますので、除去能力は長く持続します。「ニューカラーカッター・ライト」によるフミン質除去は色の分解であるため、SSの発生が無く目詰まりしないため逆流洗浄は週に1~2回程度ですみます。
 

特  長

    1) 確実で安定した処理
   ニューカラーカッター・ライトは基本的にこれまで使用されてきた特殊ろ材の除去機構と同様に接触酸化法に
    よる除去機構を有しています。次亜塩素酸を使用するだけでフミン質色度の除去が可能であり、安定した水質を
    確保することができます。

    2) 小スペースかつ安価な維持管理費用
   もちろん凝集剤を利用した方がより高い効果が期待できますが、特殊な場合を除き曝気槽は不要です。原水より
    直接接触させることで、良質な水質を得ることができます。したがって、小スペースで、かつ凝集剤などの薬品
    も使用しないので、維持管理費用も軽減されます。


物  性

 外観  有効径 mm  均等係数  真密度 g/cm³  嵩密度 g/cm³  空隙率 %
 黒色  0.35  1.4以下  2.77  1.08  62.0

除色メカニズム

  フミン質色度成分は「ニューカラーカッター・ライト」と接触すると除色されますが、「ニューカラーカッター・ライト」自身が持っている酸化力が弱くなり(酸化度低下)、短期間で除色効果が低下します。このとき、 処理水中に1.0mg/L以上の遊離残留塩素が存在すると「ニューカラーカッター・ライト」は酸化触媒として作用するため、除色効果は持続します。これは除マンガン処理における接触酸化法と類似しています。

使用条件

●原水のフミン質色度と通水流速

  「ニューカラーカッター・ライト」の除色処理能力を長く持続させるには触媒として作用させることが必須条件です。
 そのためには処理水中に 1.0mg/L以上の遊離残留塩素を存在させ、十分な接触時間(適正通水流速)をとる必要があります。
 原水のフミン質色度に対して通水流速が決定されます。弊社ではろ過実験を実施して適切な通水流速をご提案させていただきます。


●原水に含まれる共存物質の許容濃度

 濁度  鉄  マンガン
 2度以下  0.3mg/L以下  0.3mg/L以下

●標準ろ材構成

 上 層:アンスラサイト        (有効径 0.7mm  層厚 200mm)    
 下 層:ニューカラーカッター・ライト  (有効径 0.35mm 層厚 800mm以上)


     

●通水時における処理水残留塩素濃度

  処理水中には酸化力の強い遊離残留塩素を1mg/L以上含有させるようにしてください。       

地下水の除色処理フロー例

※飲料水として利用する場合を想定  
  
  ■色度除去のみを目的とした場合


  ■SSや鉄濃度が高い場合


  ■後段設備にMF装置を導入した場合

    

使用方法

1) 酸化剤の注入      
  水中に還元性成分が連続的に注入されると、酸化マンガン成分が溶解して流出してしまいます。
  取水口近辺で連続的に次亜塩素酸ナトリウム、塩素、オゾン等の酸化剤を注入してください。
  なお、注入量として、例えば塩素の場合、ろ過水の遊離残留塩素濃度が1.0mg/L以上となるよう調整してください。


2) 層厚および流速      
  標準としてSV=10程度となるように、層厚を取ります。原水の状況により、接触時間はかなり異なりますが、
  流速を早くする場合にはSV値をく取るように設計されることをお勧めします。なお、鉄およびマンガンが共に溶け込んでいる場合、
  マンガンよりも鉄が先に酸化除去されます。さらにマンガンの除去後、フミン系色度が除去されます。
  このため、原水中の鉄、マンガンともに非常に高濃度であり、かつ高濃度のフミン質が含有されている場合、
  2塔直列で処理することで前段では鉄、後段ではマンガン及び色度を効果的に除去する  ことができます。

     

使用上の注意点

 ●タンクへの搬入時には、防塵マスクを着用してください      
  本製品は工場出荷時に次亜塩素酸処理を施してお客様にお届けしています。
 細かい粉体が除去されるまで、10~20分程度逆流洗浄を2~3回行い、逆流洗浄後、数時間で使用ができ、
 次亜塩素漬けの手間がありません。また次亜塩素酸処理を施す場合は、約1000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウムに
 12時間以上浸漬をお願いいたします。なお、逆流洗浄後、ごくわずかに細粒分が残りますが、
 これは濁質およびマンガン除去の効果を高めるものですので、安心してご使用いただけます。